結納のはじまりから結びまで

結納の日取りを決めるには

結納1 余裕が持てる日程で大安ならなお良し
挙式予定日の3〜6カ月前のお日柄の良い日の午前中が一般的ですが、このことばかりにこだわって慌ただしく行うことになるようでは考えものです。本人たちとご両親や仲人さんと相談して都合の良い日を選ぶように。



仲人をお願いするなら

結納2 たとえ頼まれ仲人でも礼儀はきちんとして
仲人は、結納から挙式まで両家の間に立って、大変重要な役割を果たしてもらう人です。社会的に信頼のある人で、同時に人間的にも信頼や人望が厚く、若い二人の手本にな れる人がよいと思われます。会社の上司、学生時代の恩師や先輩などにお願いするのが適当でしょうが、男性側の知己にこだわる必要はありません。 依頼するときはまず電話や手紙などで先方に打診します。承諾をいただいたら本人たちがそろって正式にお願いに伺うのがマナーです。


結納3

結納飾りの飾り方

飾り方にも地域差があるのでしっかり確認をしてから
特に熨斗(鶴)と末広(亀)の向きに注意してください。鶴は舞い降りる、亀は這い上がると言われることから鶴の頭は手前向き、 亀の頭は向こう向きにします。また白木台(片木、三宝)の継ぎ目は手前になるように。目録を載せる白木台には上から、 「目録」「家族書」「親族書」「小袖料」「清酒料」「松魚料」の順に重ねて置きます。


結納当日に気をつけたいこと

結納4 忌言葉を避けるため余計なことは話さない
結納の当日、結納を迎える側は床の間におめでたい絵柄の掛け軸(高砂、日の出、鶴、亀など)を掛け、若松などを生けておきます。 慶事の場合、お茶は「にごす」とか「ちゃちゃを入れる」という意味につながることから桜茶か昆布茶を用意します。 紅白や鶴亀といったおめでたい干菓子などを添えると良いでしょう。
結納は厳粛な儀式なので、終了するまでは口上と挨拶程度で、世間話など無駄な言葉を交わさない習慣があります。



荷送りにも様々なしきたりが

荷送りとは、嫁入り道具を新郎側に運び込むこと
結納と同様にしきたりや作法があり、地域によっては今日までその習わしが残っています。 荷送りの日は結婚式の一週間前から2〜3日前が一般的です。吉日などににあまりこだわらず、手伝ってくれる人や双方の都合で決めればよい でしょう。無駄な言葉を交わさない習慣があります。

荷入れの進行

結納5 正式には荷宰領(にさいりょう)と仲人が中心になって
荷入れの時間は午前中がよいとされていますが、遠方の場合や交通事情などあり、あくまで目安として考えた方がよいでしょう。 親戚や兄弟、親しい友人に頼んで荷物運搬の責任者となってもらう荷宰領や、積み込みから運び込みまで立ち会ってもらう仲人 が中心となって行います。 そして、男性本人または荷宰領がまず鏡から運び込んで荷入れが始まります。

荷入れ

結納6 荷物を運び入れる日がバラバラにならないように
大きな家具や、家電器具、寝具など、最近は購入したお店から直接荷送りに合わせて届けてもらう場合が多くなっています。 その際できるだけ午前中に届けてもらうよう依頼をします。荷宰領や仲人さんがいるときに届けるのが望ましいからです。


結納飾りを荷物に飾り付けます。

結納7 荷飾り方は地域によって様々ですが、結納飾りで荷物に飾り付けします。 松飾りは和タンスに、竹飾りは洋服タンス、梅飾りは整理タンス、鶴飾りは布団、亀飾りは鏡台に飾るのが一般的です。 ひととおり運び納めたら、男性側はざっと荷物をあらため、荷受書を新婦側に渡し、各位に祝儀を出しましょう。
その後祝膳を囲んで労をねぎらいお開きとなります。

結納8
関西地方の結納
関西式結納は、西日本地域で使われます。近畿、中国、四国では多くの場合、男性側から女性側へ贈るだけのもので、「結納を納める」と表現します。京都、兵庫、山陰地方の 一部では、女性側から男性側の一回り小さい結納飾り、あるいは納められた結納飾りの紙の色を赤から青に変えて、男性側へ「袴地料」として贈る習慣のところもあります。 関東式に比べ豪華な結納飾りを用い、それぞれ独立した白木台にのせて飾ります。 品数は必ず奇数とされ、基本は5点(松、竹、梅、鶴、亀)で、7点、9点というのが一般的です。 結納品の中心になるのが、いわゆる結納金を包んだ金包で、「小袖料」「帯地料」「宝金」と呼ばれます。

熨斗(のし)…鶴飾り
 あわびを延ばしたもので、長生不死の象徴とされています。
寿恵廣(すえひろ)…亀飾り
 純白無地の扇子です。潔白無垢と、末広がりの繁栄を願って贈ります。
結納金(ゆいのうきん)…松飾り
 「小袖料」や、「帯地料」、「宝金」と記されています。
結美和(ゆびわ)
 最近では、婚約指輪を結納品に加える場合が多くなつています。ダイヤモンドや誕生石が一般的です。
高砂人形(たかさごにんぎょう)
 共に長寿を願う祈りを込めて、尉(じょう)と姥(うば)を嶋台の上に飾ります。
寿留女(するめ)
 するめのことです。長期保存に耐える食品として、不時の備えをかためるという意味を持っています。
子生婦(こんぶ)
 昆布のことで子孫繁栄を願って贈ります。また「よろこぶ」にも通じます。
清酒(柳樽)(家内喜多留)…竹飾り
 酒や、酒の入った樽のことです。金子を包むケースが多くなつています。
松魚(まつうお)…梅飾り
 鰹節のこと。勝男節、勝男武士などとも書かれ、剛気な男性の象徴です。実物の代わりに金子を包むことが増えています。
目録(もくろく)
 結納品の内容を記載したもので、結納品と共に女性側に納められます。また女性側から、確かに受け取りましたという証に結納品の内容が記された受書を男性側に渡します。

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